鑑定評価書はいつまで使えるのですか?

不動産の価格も、他の財産と同様に景気や周辺の状況で変化していきます。
そのため、鑑定評価書はその時点におけるその評価条件を基にした不動産鑑定士の意見価格です。

「経済は生き物」です。同じものが来年も同じ価値を持つかは分かりません。( ※1)

また、不動産を分割しようとしているときには、評価条件によっても変わります。間口2mの土地と角地では同じ価値と見る人はいないでしょう。

( ※1)地価が落ちついてきたとはいっても、少しずつ変化しています。半年前の地価は数%~数%違ってくることもありうるのですから、検討する時には最新の価格を求めるべきです。鑑定評価書有効期限は、数ヶ月と思っていた方が説得力があります。

鑑定士によって不動産取引相場に対する見方も少しずつ違います。強気の相場観を持つ人は条件の良い物件を比較的高めに見ます。売りやすい物件なら高くても売れるだろうと思うのです。
一方、弱気の鑑定士は売りにくい物件の減価率を大きく見ます。同じ条件でも5~10%の差は出てしまいます。
中古の乗用車も型式が同じであっても価格が色々です。売りやすいものであるかだけではなく、その地域やその業者によって値段はまちまちです。
株式や自動車とは違って不動産は2つと同じものはありません
工場で作れるものと違って、不動産は千差万別ですから、ある程度、評価が違うのは仕方ないことです。

株式市場を考えてみてください。朝一番の寄りつきの価格よりも、その日の終値が5%以上値上がりすることはよくあることです。朝一番の価格が誤りでもなければ、終値も決して高い価格であったとは言えないでしょう。いずれも相場で形成された適正な価格なのです。
不動産についても、同じことが言えます。どの価格でなければ誤りとは言えず、相場として少し幅があるといえるでしょう。不動産鑑定士は、それぞれの経験と知識、情報を背景にしていろいろな角度から不動産を見つめ直します。その結果、不動産市場の中でその不動産がどの辺にあるべきかを判断し、自分の良心に従って価格を決定します。相場観に多少の差がある以上、価格も数%の差が出てくるでしょう。

鑑定評価は(有)埼玉不動産鑑定所へ