借地関係は長い期間になります

先日、相談された人はおじさんから相続した土地に借地人がいました。地代も安いようなのですが、どうしたらよいでしょうか、との問い合わせ。周辺が３００円以上するのに、その土地は月９０円/坪くらい。

確かに値上げしてもらいたいのは良く分かります。
ただし、すぐに評価書を書いて、その評価書を見せながら借地人さんに交渉してまとまるのでしょうか。

「どこの人だかわからない人が書いた評価書を信じてもらえるのか、地主の都合でかかれたもので信用してもらえないのではないか。鑑定書を持っていったために、話がこじれてしまうこともあるんですよ。」
地主さんにはいろいろな言い分があります。
一方、先代（おじさん）から借りていた借地人さんにも長年の言い分があるでしょう。借地をするにしてもいきさつがあるのかもしれません。
いつもお願いするのですが、
「借地関係の双方から言い分を良く聞いて、私を信頼して評価をさせていただけませんか、何よりも私の出した案をたたき台にして、お互いに幸せになってもらいたい。評価書を出したらその評価書を火種にして、その後にいやな思いが双方に広がったのでは困ります」

先日の相談には、
「見せても良い固定資産税の納付額は見せたほうが良いですよ、実際払ってもらっている地代の半分以上が税金。周辺よりもごく安いのを借地人さんに理解してもらってください。その上で、一度に値上げが出来ないなら２年か３年に分割してあげてもらったらどうですか。そのときにいくらにすればよいのか、借地人さんもなかなか決められない、というのなら、２人で私のところに来られたらどうですか」

今年４月に新しい税金が分かります。少し上がるか
も知れませんが、これから２ヶ月間借地人さんと少しずつ話を進めていかないと、値上げが分かった４月に急に言うよりもうまくいくと思います。
そのことをアドバイスして、地主さんは帰って行きました。

春以降に借地人さんと話がまとまれば、それで私の仕事は無いでしょう。
借地人さんと一緒に私の事務所に来れば、私の鑑定書を基にして今後何年か問題が起こらないように、アドバイスをしながら解決をするお手伝いが出来るでしょう。

いずれにしても、地域の疑問や当事者の思い違い、遠慮、食い違いを当事者の扮装、問題にしないようにするお手伝いが出来、そのうちのいくつかで私の仕事がつながれば、それでよい、と思っています。

鑑定評価は(有)埼玉不動産鑑定所へ