相続で後悔しないように (16)

⑤そもそも どうしたらよいか分からず、ただ不安

亡くなった人の借金(債務)が---

東武東上線の人身事故を起こした人の遺族の方の相談がありました。

鉄道で自殺をしてしまうと、壊れた機材の修繕費、職員の処理費用はもちろんのことですが、それよりも大きな費用項目があります。

鉄道事故があり電車の運行が遅れると、乗っている人には遅延証明書が出ます。それだけではなく、他の路線やバスへの振り替え輸送が行われます。東武東上線の川越駅で起こった事故はJR川越線、西武新宿線の他、東上線沿線を走るバスを利用するように乗客を誘導し、乗客はその費用を通常負担せず無料です。この費用は他の電鉄やバス会社へ東武東上線が支払わなければなりません。

相談事例では
壊れた機材と職員の手当等が約8万円。
電車運行に関する損害が約87万円。
合計すると百万円近い損害賠償請求となっていました。

この損害賠償請求は、本人がもう亡くなっていますから遺族が負担します。
本人の財産が残っていれば、その中から支払うことになりますが、現金が無く不動産だけなら、とりあえず立て替え払いをしなければならないでしょう。不動産の価値がないのなら限定承認(あるいは相続放棄)をしなければ借金はそのまま遺族に相続されます。

最近は電鉄会社や他路線との相互乗り入れが多くなっています。
JR宇都宮線が湘南電車とも乗り入れしたり、東上線が地下鉄副都心線(やがて東急田園都市線とも)直通運転しています。
事故により電車が遅延すると5,60㎞先の人にも影響するのですから、損害賠償請求が百万円を超えるのは珍しくないのでしょう。

噂ですが、富士見市の踏切に軽トラックを停め事故を起こした農家の人は、その後、鉄道会社からの請求を受け、農地の全てはもちろん家屋敷も売って賠償に充てたそうです。数千万円になったのでしょう。

不幸にも自殺する人には気の毒なことですが、残された遺族にも金銭的な負担が残ります。

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