相続で後悔しないように (27)

①相続税が払えなくなるかと不安

遺産の中には、誰も欲しがらない不動産が含まれていることがあります。

サラリーマンの多い現代、農家を継ぐ人がいない以上、農地を欲しがる人はいません。稀に、「健康や家計のために日曜園芸をするか」と
いう人もいますが、多いわけではありません。
形の悪い土地、道路漬けの悪い土地など、利用しにくい土地は固定資産税だけかかって、何も収益を生みません。


それでも誰かが継承しなければならないのが相続です。

プラスになる財産だけではなく、将来マイナスを生みかねない財産も誰かが引き継がなければなりません。
そんな財産はある意味「お荷物」です。
「お荷物」を取得する人がいなければ、売って現金にするしかないこともあります。
たとえ、安くても現金になれば分割は可能です。

そんなことを調停の席で言ったところ、当事者から
『そんなに「お荷物」と言わないでください』と、言われたことあります。

どんな土地も当事者にはそれぞれ思い出があります。
また、故人が苦労して手に入れた土地もあるでしょう。

第三者だから、気軽に「売って現金にして分ければ」というのは、理屈では分かっても感情的に理解しにくいことだったのでしょう。

言葉に気をつけないといけない、と思った瞬間でした。

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