身内だからこそ ちゃんとした報告書

争いになったものは、最初からこじれていたわけではない。

「身内だから、判ってくれるだろう」
「家族なのに形式張っていてはおかしい」

最初にキチンとしておけば良かったことを、アバウトにしておいたために、要らぬ詮索や不信感が広がることが多いようである。

たとえば、相続に伴い不動産をどうするのか、管理している、たとえば、長男が予め、資料を基によく説明しておく必要がある。そのときに分割を公平にするため第三者の意見を求めたいと言っておけば、(長男はいいところを独占するのでは?)疑いの心も広がらない。
鑑定士の出番である。事前に相談するケースも多いが、実際の作業について、私は「当事者全員にお話ししてからの方が良いですよ」とアドバイスすることが多い。
あまりに手際よく進めると、長男のペースに他の兄弟がついて行けないのである。
鑑定評価の作業に入る前に、様々なケースを鑑定士が説明し、相続人全員の了解のもとに評価に入れれば、その方が良い。
長男だけではなく、全員が依頼者になるのである。そうすれば、皆が対等の立場でスタートできる。
揉めてしまうと、それぞれが鑑定評価書をかざして主張し合うことになりかねない。それよりも、前提条件やその後のことも相談して進める方が、結局近道なのである。

分割方法、最も良い活用方法、法律的な問題、税務上の問題、残された老親の扶養の問題など、相続に関連して考えるべきことは、不動産の経済価値だけにとどまらない。問題を一つ一つほぐしていく工夫は、鑑定士の活用にかかっている。

鑑定評価は、埼玉不動産鑑定所へ