災害時の支援とは

ペルーの大地震のニュースを見た。
救援物資を奪い合うなど混乱が続いているため、治安目的の軍隊が派遣されたようだ。日本では暴徒が現れることはない等、民度が高いことがわかる。 とはいえ、再建のための手だては十分なのだろうか。

被災者生活再建支援法は、阪神淡路大震災を受けて制定された。 【自然災害により住家が全壊した世帯に対し、生活必需品や引越し費用として最高100万円の支給がなされる。また、2004年3月には法の一部が改正され、被災家屋のガレキ撤去費用や住宅ローン利子等として最高200万円が支給される「居住安定支援制度」が創設された】しかし、生活の基盤である住宅建設費を支援することはできない。これは住宅は個人の資産であるため、公費を私有財産の形成に投入することができないためである。被災者生活再建支援法  もしも支援をすることになれば、地震だけでなく、台風や大火、交通事故の被害者も、と対象になる人が多くなることも目に見えている。何よりも個人の財産を支援するとなれば、いくら税金があっても足らなくなる。行政担当者の言うこともよく分かるのだ。 しかし、それだからといって、住宅建設費は民間金融機関から借りればよいということだけでよいだろうか。中越地震の被災者は高齢者が多く、民間から借りられる条件はほとんどない。返済をするめどもない。そういう高齢者が多いから、阪神淡路大震災でも老人の孤独死が仮設住宅内で相次いだのではないか。 今、生活しているところを担保にして、低利の融資制度を公的機関がすべきである。 社会福祉協議会は、高齢者の居住している土地家屋を対象にしたリバースモーゲージを行っている。東京都社会福祉協議会 社会福祉協議会の精度は、毎月の生活費を補填するために自分の所有する土地を担保とし、死後に精算する方式だ。 地震等の被災者に対する融資制度も所有する土地を担保として1500万円あるいは固定資産税評価額の50%まで(いずれか低い額)を限度としてごく低利の融資をするべきではないか。1500万円あれば、当面住む住宅は建設できるだろう。そして、10年間は返済を猶予する仕組みにしておく。高齢者の場合には毎月の返済はできない。しかし、自分の土地を担保にして、死亡したときには遺産の中から返済できるのなら、借金をする精神的な負担もない。推定相続人になる子供たちが抵当権設定に反対するのなら、子供たちが建築費を援助するべきなのだ。 地震の被災者の不動産を活用したリバースモーゲージ制度は、被災者の自助努力と地域活力につながる制度である。将来返済されるのであるから、公的団体が融資をしても良いのではないか。
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